時間が勿体ない

とあるヘルパーの話。
そのヘルパーはいつも過去のミスを思い出したり、先の不安ばかり思いめぐらせ、気分の落ち込みやすい女性でした。
そんなある日、彼女はいつも支援で入っているお宅へ伺い、仕事をしながら利用者様のお話に耳を傾けていました。利用者様は大好きなドラマのあらすじを彼女が来る度に瞳を輝かせ嬉々として語ってくれるのです。
彼女は利用者様の身体の不自由さを凌駕する心の元気に触れ、「私も〇〇さんのような元気な心を持ちたいです」と言うと、
利用者様は「そんなの簡単よ。合言葉は"時間が勿体ない"よ」と仰られました。今一つピンときていない彼女に利用者様はこう続けます。
「私もあなたぐらいの若い時は時間が無限にあるように思っていたけど、あっという間に年を取って時間を凄く大切にしなきゃって思うようになったの。どうにもならないことであれこれ気を揉んだってそれは大切な時間を捨てていることと一緒でしょ?だから一分一秒を楽しまないと、自分を幸せにするために時間を使わなきゃ損よ。あなたも自分を大切に思うなら一分一秒を自分を幸せにすることに集中して」
彼女はその言葉を聞いて仕事や人生に対する取り組み方が大きく変わったそうです。